既存建物は解体済み!敷地面積2万㎡は超え、将来は大型プロジェクトへ!?もと大阪府立成人病センター跡他 23年6月の様子
森之宮にあった大阪府立成人病センターは2016年度に大阪国際がんセンターと名称変更して、大手前に移転しました。現在役目を終えた建物は解体工事を行っています。そしてその南西に位置する大阪健康安全基盤研究所やもと府立環境農林水産総合研究所の敷地などとあわせて、今後再開発されるものと思われます。
位置図
大阪府立成人病センター跡の所在地は大阪市東成区中道一丁目となります。最寄駅となる森ノ宮駅は大阪の中心地となる梅田からですと、JR大阪駅から外回りに乗って5駅、約10分ほどとなります。森ノ宮駅はJR環状線のほかに大阪メトロ中央線、鶴見緑地線の森ノ宮駅もある乗換駅となっています。
計画地はその森ノ宮駅から東へ徒歩約5分、中央大通りの南に位置します。計画地の北を走る中央大通りの上には阪神高速東大阪線の高架が走っています。
用地Ⅰと用地Ⅲの様子(2023年6月)
敷地内部の様子です。出入する人もおらず、既存建物は一部を残してほぼほぼ姿を消しています。「残す」と赤文字で書かれていますが、わざわざ残す意味はなんなのでしょうか?
まだ残っている建物が解体されていますが、こちらは旧成人病センターではなく、民間のクリニックの建物です。秋頃には解体が終わるものと思われます。
用地Ⅱの様子(2023年6月)
こちらは数ヶ月前まで稼働していた大阪健康安全基盤研究所です。移転に伴いこちらでは建物への出入が制限されていました。
ちなみに移転先はすぐお隣(北)のガラスウォールと黒壁の2棟の建物になります。
建物は閉鎖されていますが、その敷地の一部は通り抜けられる様になっており、森ノ宮駅方面と駅南東の住宅地を結ぶアクセス道としての役割を担っています。ただ本格的な建物解体工事が始まるとこちらの通路も通行できなくなるのではないでしょうか。
跡地利用
大阪府は2018年に旧成人病センター跡(用地I)と隣接している大阪健康安全基盤研究所及び旧府立環境農林水産総合研究所の敷地(用地II)さらに中央大通りに面した民間医療施設の敷地(用地Ⅲ)について、マーケットリサーチ(市場調査)を実施しています。
参加企業の多くからファミリー向け住宅、高齢者向け住宅、商業サービス施設等による複合施設という回答が寄せられました。もともと大阪府は移転に先立ち2014年に「多世代が交流する、学びとけんこうとにぎわいのまち」というコンセプトのもと、「府立成人病センター跡地等のまちづくり方針」を示しています。
そして2020年には大阪府と大阪市は「大阪城東部地区のまちづくりの方向性」を策定し、その中で府立成人病センター等の跡地については、中央大通り以北のUR森之宮団地等とともに「多世代移居住複合ゾーン」としてゾーニングされました。
さらに本件や2025年に開校する新大学「大阪公立大学」の森之宮キャンパスを含んだエリアは、国の都市再生緊急整備地域に指定されています。指定エリアの青丸のあたり、一番下(南)に位置する出島のように非常に歪な出っ張りが成人病センター等跡地となります。
大阪健康安全基盤研究所の解体を2023年度内には終えると、おそらく2023〜2024年度内に大阪府によりコンペなどで事業者を公募するのではと思っていましたが、大阪城東部地区まちづくり検討会の議事録などを読むと、現在は大阪公立大学を中心とした北エリアに注力するというか、旧成人病センター周辺まで手が回らない状況にあると感じました。
本件は大阪市東部地域の重要な拠点となるエリアにある約23,000㎡にもなる広大な敷地です。タイミングを見誤って、基本理念も抽象的で曖昧な中途半端な開発とならないよう、ここはどっしり腰を据えてもらってもいいような気がしてきました。
そもそも大阪には巨大プロジェクトを同時進行で完成させていけるだけの体力も需要もありませんので、2020年代後半から2030年代初頭に完成するような工程で、大阪城東部地区南エリアの核として、しっかり作り込んでもらいたいところです。
中之島5丁目と同じく注目案件ですね。どちらにも共通して願うのは、中途半端だけは避けてほしいことですね。
巨大プロジェクトとなりうる可能性のある案件が複数あるなんて、15年前くらいの大阪では考えられませんでしたね。
でも本当に急いては事を仕損じるだけは勘弁してもらいたいです。