大阪市の負の遺産が次世代文化ミュージアムへ!なにわの海の時空館跡 事業予定者選定!23年11月
2000年7月に大阪市住之江区の南港・咲洲海洋博物館として開館した「なにわの海の時空館」ですが、入場者数の低迷により2013年3月に閉館し、その後ながらく活用されることがありませんでした。しかし!大阪市はこの負の遺産ともされる「なにわの海の時空館」の3回目の事業者公募を実施し、2023年11月24日シンフォニックスリール(本社:大阪市)を事業予定者に選定したことを発表しました。これによりながらく放置にされていた海に浮かぶ半円球体は次世代文化ミュージアムとして生まれ変わることとなります!
計画地
大阪メトロ中央線「コスモスクエア駅」より海を右に見ながら歩くこと10分足らずで、現地に到達できます。
計画概要
本件は「なにわの時空館」の建物だけでなく周辺の土地も利活用事業の範囲となっています。「なにわの海の時空館」は「Premium Jewelry Dome Osaka 」として次世代文化ミュージアムとして生まれ変わり、東側の敷地を「エントランスパーク」として総合的なアンチエイジングサービスを提供する施設として活用することになります。
既存建物内にある菱垣廻船「浪華丸」を活用した体験型文化ミュージアムを創出します。MRデバイス等を用いた最先端技術によるファッション・芸術文化の魅力発信、またナイトタイムエコノミーの創出を目指し、日本の文化と最先端が融合した新しい空間を演出します。
日本最先端のアンチエイジングやメディカルコンシェルジュセンターを設置。既存のクリニックや宿泊施設と連携した総合的なアンチエイジングサービスを展開します。
現地の様子(写真はすべて23年10月)
エントランスパークとなるエリアは緑がわさわさと生い茂っています。イメージパースにあるようなスロープ状のアプローチは向かって右に建設されることになります。
Premium Jewelry Dome Osakaという次世代文化ミュージアムに生まれ変わる半円球ドームの様子です。海に浮かぶドーム状の構造物を初めて見た人に、ミュージアムと言ってもにわかに信じがたいかもしれません。
総工費176億もかけた結果、皆さんの予想通りあっさり閉館し、大阪市の代表的な負の遺産とされています。閉館から約10年となりますので、近くで見るとやはりくたびれた感が拭えなくなってきました。
このあたりは釣りをする人、そして春から夏にかけては半裸で体を焼く人くらいしか訪れません。
海に浮かぶドームへは、こちらのエントランス建物から海底トンネルによりアプローチする構造になっています。
このあたりの雑草が生えている歩道空間も今回の対象地となりますので、こざっぱりしてもらいたいですね。
外観とは異なりガラス越しに見た館内は思いのほか、いい状態に見えました。といっても実際は劣化しているかと思いますし、次世代文化ミュージアムとなると、思い切った前衛的なものとする攻めた姿勢を感じさせてもらいたいところです。
夢洲(万博、IR予定地)と本計画
「なにわの海の時空館」の背後、海で隔てられた先には2025年開催の大阪・関西万博の予定地である夢洲が見えています。また2030年には日本初のIRも開業が予定されています。
本件との距離は直線で1キロ少々と決して遠くはありません。今まで事業者公募をしても見向きもされなかった本件が、今回やっと事業予定者が決まったことはこれら万博やIRと無縁ではないでしょう。
今後は2024年3月頃にラグジュアリーサービス(ドーム内のサービス・コンテンツ)概要を公開し、2024年6月にメディカルツーリズムサービス(ドーム周辺)の概要を公開予定となっています。そして2025年2月頃に「Premium Jewelry Dome Osaka 」として開業することになります。
なんとか万博開催に間に合わうようなので、半球をサイバー感満載に彩り、会場である夢洲と咲洲が共鳴し、会場内だけでなく湾内を行き交う船からもその様子を観覧できるような一体感を持った光の演出など華やかな仕掛けができないものかと期待しています。もちろん万博後もベイエリアを彩るミュージアムとして、エリアの活性化を牽引していく存在となってもらいたいですね。
設計者はポール・アンドリューだったんですね。そりゃ普通のデザインじゃないなと。落札者の会社情報が不明瞭なので、すんなり事が進むのかどうかちと不安ですが。
コメントありがとうございます。
不安もありますが、チャレンジする若い事業者を応援したいですね。